依存症の治療法と看護師の役割

依存症には、タバコ依存、アルコール依存、インターネット依存などさまざまな種類があります。どの依存症においても治療は、依存の対象物を断つことが重要になります。そのための方法として、薬物治療、心理療法があります。

依存症患者の中には、もともとメンタルが不安定で、日頃の不安などから依存症に陥るといったケースが少なくありません。そのため、抗不安薬やうつ病の治療薬などが処方されることもあります。入院治療を行っている患者に対しては、看護師は服薬指導や薬の管理を行うことになります。患者によっては、依存症治療の辛さから服薬をきちんと行わなかったり、大量服薬をしてしまったりするリスクもあるため、看護師はしっかり見張っておくことが重要です。

心理療法は、医師が行うこともあれば、臨床心理士など心理のプロが行うこともあります。看護師は、医師や心理士の指示に従って、心理療法のサポートを行います。問診やデータ管理などを担当することもあります。さらに、患者同士で作る自助グループへの参加も治療の一つといえるでしょう。

依存症治療は、短期間で治癒することは少なく、多くの患者が長期間かけ、一進一退を繰り返しながら治療しています。患者本人だけではなく、家族にとっても依存症治療は大変な戦いになります。抱えている問題は一人一人違っており、治療そのものに対する不安はもちろん、経済的なもの、社会的なものなど不安要素は多岐にわたります。それは個人だけでなく、家族を含めた問題が関係している可能性もあります。そのため看護師は、患者だけでなく、家族の気持ちにも寄り添うことが大切になってくると言えるでしょう。